鼻の病気について
鼻出血
鼻出血の多くは、鼻の入り口から1センチぐらいのところにあるキーセルバッハ部位とい鼻中隔粘膜の部分から出ます。風邪による急性鼻炎やアレルギー性鼻炎などで鼻をよく触ったりすると粘膜に傷がつき出血します。繰り返す事が多く、大半は心配のない病態ですが、なかなか止血出来なかったり、打撲も受けていないのに内出血していたり、貧血があったりすると全身の病気であることもあるので要注意です。最近では心疾患や脳疾患で血液を固まりにくくする薬物を飲んでいる方が多くため鼻出血を繰り返す患者さんが増えています。
急性鼻炎
一般的に鼻かぜと呼ばれているもので、ウィルスや細菌で鼻の粘膜炎症を起こしている状態です。最初はさらさらの水のような鼻水からはじまり、粘稠な鼻水に変わっていきます。微熱、頭痛、寒気など全身症状を伴うこともあります。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は空中に漂う異物(アレルギー物質、抗原)に対して、鼻粘膜で過敏に免疫反応を起こす病態です。体がある物質を異物と判断すると抗体というものを作り体を守ります。再び異物(抗原)が入ると鼻粘膜で抗原抗体反応(アレルギー反応)を引き起こしくしゃみ、鼻水、鼻づまりが生じます。この反応が過剰に出現すると病的と診断します。原因抗原となりやすい物質はハウスダスト、家ダニ、カビ、スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉、犬・猫の上皮などです。花粉症もアレルギー性鼻炎の一つです。 症状の出る時期や場所などでその原因抗原を予想出来ますが、血液検査によって原因を特定することが出来ます。治療の原則は原因抗原と出来る限り接触しないことですが、実生活では不可能なことが多いため、内服薬、ステロイド点鼻薬、手術治療などで症状の改善をします。また、体質改善のため原因抗原のエキスを徐々に投与する減感作治療(アレルゲン免疫療法)があります。従来はこの治療は注射でしたが口腔粘膜から投与する舌下免疫療法も開発されています。
急性副鼻腔炎
鼻腔の炎症が、副鼻腔まで波及した状態で「急性ちくのう」と呼ばれたりもします。まれに、歯の炎症から波及して副鼻腔に炎症が起きることもあります。症状として、かんでもかんでもかみきれない鼻水、頭痛、鼻水がのどに流れていく(後鼻漏)が多いです。頬部痛や眼周囲痛、頭を下にすると頭痛の増悪が生じます。治療は抗生物質は主体で症状により鎮痛剤などを使います。長期になることも多いですがしっかりとした治療が必要です。