のどの病気について
急性咽頭炎
一般に”のど風邪”と呼ばれているもので、原因は風邪ウイルスの感染や細菌感染が主ですが、化学物質、煙、有毒ガスなどでも生じます。最近ではPM2、5や黄砂が悪影響を与えているとこともあります。症状としてはのどの痛み、嚥下時痛(飲み込む時の痛み)、のどのガサガサ感などののどの症状と全身倦怠感や発熱を伴うこともあります。のどの痛みが強い時は耳への放散痛も生じます。治療は一般的な安静治療と薬物療法です。
慢性咽頭炎
長期間、のどの違和感、つまり感、イガイガ感が続く症状がありあります。タバコ、アルコール、有害物質の吸引、刺激性のガスなどを長期間吸い込んだりしておこる場合や、食物アレルギーや糖尿病などから抵抗力が低下している場合にもおこります。タバコはのどにとって百害あって一利なりですので禁煙をお勧めします。
急性扁桃炎
扁桃腺とは口を大きく開けたときに左右にアーモンドの豆のように見えます。桃の種のようにも見えます。そこに病原性の細菌やウイルスが感染し炎症を起こしたのを扁桃腺炎と診断します。赤く腫れ上がれたり、白いぶつぶつが付着することもあります。咽頭痛が強く食事が出来ない事も稀ではありません。高熱、全身倦怠感も伴いやすく結構しんどい病気です。治療は内服薬での治療で治ることが多いですが、中には入院治療を要することもあります。
急性扁桃周囲炎、周囲膿瘍
扁桃腺を被っている被膜と筋肉との間に炎症が生じるものを扁桃周囲炎、ここに膿みがたまると扁桃周囲膿瘍と診断します。普通は左右のいずれかで生じます。症状はのどの激痛で口を開ける事もつらいです。発熱を伴い食事を十分に取る事ができないので、入院治療することも多いです。
扁桃腺摘出術の適応は
どんな時に扁桃腺を取ったらいいのですか?と患者さんや保護者の方からよく質問をうけます。絶対的なものはないのですが、ひとつの基準として以下のものがあります。
*年に数回、強い症状を伴う扁桃腺炎(学校や職場を休む)を繰り返す場合
*扁桃腺の炎症で腎臓、皮膚などに病変をもたらすと考えられるとき
(病巣扁桃)
*扁桃周囲炎を繰り返す場合
*扁桃腺肥大により呼吸障害(いびきなど)、嚥下困難などがある場合。
*上記以外でも医師が取った方がいいと判断する場合。
声帯ポリープ
声帯粘膜部に生じる突出物を声帯ポリープといいます。風邪などの炎症や、大きな声を出したり、長く喋ったりすることで声帯が酷使されると、声帯粘膜のなかで出血し血腫が出来ます。これが声帯ポリープで声の安静をすれば自然に治って行くこともありますが、治らない場合もあります。良性のものなのでなにがなんでも消失するまで治療をする必要はありませんが、声を出しやすく、声を改善したい場合は手術治療が必要になります。
当院では音声治療専門病院であるJCHO大阪病院と密に連携しています。